今や子供から大人まで認知度の高い「熱中症」。それでも毎年夏になると熱中症で救急搬送される方が出ています。
体力のない幼児や高齢者は異変を察知するのも遅れやすく、重症化してしまうケースが多々ありますので、特に気を付けなければなりません。
身近な危険である熱中症を正しく知っておき、更にリスクの高まる「マスク着用」で過ごす夏に備えましょう!
脱水症になる原因
まずは熱中症の背景に潜む「脱水症」になる経緯と、それに伴う症状です。
- 気温の上昇や運動で体温が上昇
- 体は汗をかいて体温を下げようとする
- 汗をかくために血液が皮膚に送られる
- 発汗で血液中の水分が減っていく
- 粘度が高くなった血液は流れが悪くなる
- 身体にたまった熱を逃がしにくくなる
- 血液の量が減り血圧が低下する
- 骨や筋肉から電解質が失われて、脚がつりやすくなる
4の段階を超えると危険な状態に陥りますが、自覚症状がはっきりするのも4以降になってからです。2の「汗をかいた」時点で早めの対策をしましょう。
正しい対策は最終章の「水分補給は水分だけではなく、塩分も同時に補給すること」でご説明しています。
脱水症・熱中症のサイン
- 足の筋肉がつる。けいれんが起る
- のどの渇きと倦怠感
- 頭痛、めまい
- 吐き気、食欲不振
こんなときは余計に危険!
普段の生活において、今、自分がどれに当てはまっている状態なのかを意識しておくことが大切です。
- 睡眠不足
- ダイエット中
- 二日酔い
- 朝食抜き
- 炎天下でのスポーツ
どれも経験したことがない、という方はいないでしょう。それだけ熱中症は身近な危険であることが分かります。
水だけ飲んだら、もっと危険!
- 大量に汗をかいた後に、水だけを飲む
- 血液が薄くなる
- のどの渇きを感じにくくなる
- 尿から出て行く水分量が増える(体液の浸透圧を一定に保つため)
- 脱水症状が進む
脱水症と熱中症を防ぐために
気温が上がると体温も上昇します。そうなると体は血管を開いて放熱させたり、汗をかいて体を冷やそうとします。
その汗には水分だけでなく塩分も含まれているので、大量の汗をかくと、水分と塩分の両方が失われて脱水症になります。脱水症は、暑さだけでなく、運動による発汗や下痢や嘔吐でも発症することがあります。
脱水症状を起こすと、体内の水分と塩分が少なくなり、熱が身体にどんどんたまっていく状態になってしまいます。そうなると、まずダメージを受けるのは脳。脱水症を放っておくと、めまい、頭痛、吐き気、けいれん、意識障害など、さまざまな症状があらわれる熱中症になります。
体内にある塩分(ナトリウム)の働きはこちらでご紹介しています。
水分補給は水分だけではなく、塩分も同時に補給すること
一度に大量の水を摂取すると、体内の電解質のバランスが崩れて体調不良を引き起こすことがあります。
水分補給は水分と塩分を同時に補給できるスポーツドリンクや経口補水液、甘い飲み物を飲みたくないという人は、水や麦茶と一緒に塩飴や梅干しなどを食べて塩分も同時に補給しましょう。
感染症予防も大切ですが、熱中症になってしまっては体力を奪われ抵抗力も落ちてしまいます。
屋内外問わず、暑さ対策を万全にして、早めの対処をおすすめします。
塩分=ナトリウムと密接な関係のある「カリウム」についても知っておくと、健康維持に役立ちますので、ぜひ併せてご覧ください。