感染症、がん、アレルギー、ダイエットにも 腸内環境が大事なわけ|腸内環境 Vol.1

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免疫と腸内環境の関係

腸内細菌の状態は感染症をはじめ、いろいろな病気と関わりがあることがわかってきました。

腸内細菌はさまざまな種類が共生していて、善玉菌と悪玉菌は毎日せめぎあって生きています。

つまり、日常生活の中で、意識的に、自分に合った方法で、腸内細菌を良いバランスに保つことが健康のために大切になってくるのです。

腸内環境の改善は、便秘や下痢はもちろん、感染症予防、アレルギー改善、肥満予防、糖尿病予防、うつなどの気分障害の予防などを期待できることが最近の研究でわかってきています。

腸内環境を改善するサプリメントや機能性食品も増えてきています。食材やサプリメントを選ぶときのポイントはどこにあるのでしょうか。

腸内環境と免疫について、3部(Vol.1~3)にわたってお話していきます。

免疫力は20歳をピークに低下していく

腸内環境は加齢とともに変化。年をとると太るのは腸内環境のせい?

腸には500〜1,000種類、100兆個以上の細菌が共生していて、その重さは約1kg〜1.5にもなります。

腸内細菌の構成、どのような細菌がどのくらいの割合でいるのか、これは食事などの影響を受けて、一生を通して変化するのです。

影響を及ぼすのは食事だけでなく、周囲の環境や体調の変化にも腸内細菌は敏感に反応しています。

腸内細菌はどこからくる?

人の腸にはいつから細菌が住むようになるのでしょうか。

実は、胎児の腸には細菌はありません。出産で産道を通過するとき、母親から菌を獲得して腸内に細菌が存在するようになるのです。

腸の中の細菌は種類ごとに固まっていて、それを顕微鏡で見ると花畑(フローラ)のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれています。

腸内フローラは一人ひとりが違っていて、親子でも双子でも腸内フローラは異なることがわかりました。

腸内フローラの研究によって、年齢によって腸内細菌の構成が変わってくることがわかっています。子どもの時は善玉菌が優勢で、年をとるにつれて悪玉菌が増えてきます。

人間は一人ひとりで食生活や生活習慣が違い、生活環境も異なるので、比較する研究は難しいのですが、マウスを使って同じ条件の中で同じ水と食物を与えて観察した研究があります。

若い人も要注意!腸内環境の悪化は加齢だけじゃない?

そこでわかったのは、年をとって消化吸収力が低下すると、大腸に入ってくる食物由来の成分が変わっていき、結果として腸内環境が変化するということでした。

この研究では、ほかにも驚くべきこともわかりました。加齢によって変化したマウスの腸内環境は、実験のために肥満させたマウスの腸内環境によく似ていたのです。

腸内環境と免疫の「密接な関係」

腸内細菌の構成は、宿主である人間の健康や病気に大きく関わっています。

免疫系で重要となるリンパ球(免疫細胞)のおよそ70%が腸の中にあります。腸は消化器官であるだけでなく、免疫をコントロールする器官でもあるのです。

腸を整えることは、全身の免疫バランスを整えることになり、腸内の免疫細胞と深く関わっているのが腸内細菌なのです。

健康な人の腸内細菌は、善玉菌が20%、悪玉菌が10%、日和見菌が70%くらいの割合で構成されています。

腸内細菌のバランスが変わる原因には、前述のように、まず加齢があります。一般的に年をとると、善玉菌が減り、悪玉菌が増えていく傾向があるのです。

悪玉菌が増えると有害な物質が発生し、それが腸から吸収されて血中に入り、さらに腸の働きが悪くなるという悪循環が始まります。

免疫と腸内環境の関係

腸内環境の悪化で免疫機能はどうなる?

腸内環境が悪くなって免疫機能に影響が出るとどうなるのでしょうか。

新型コロナやインフルエンザの感染データを見ると、加齢や肥満によって感染症が重症化しやすくなることがわかっています。

これは、加齢や肥満によって腸内の環境が悪くなっていることと関連があるのではないかと考えられます。

最近、若い世代の腸年齢に老化が進んでいることが指摘されています。実年齢が20代であるにもかかわらず、腸年齢が70代と判定されるケースも出ています。

あなたは大丈夫?若い世代の腸内環境が悪くなる原因

たんぱく質や脂質が多い食事
不規則な生活
ストレス
便秘
身体を冷やすファッション

たんぱく質や脂質の多い食事は、野菜不足で繊維質が足りず便秘になってしまいます。

また、不規則な生活は質の良い睡眠が得られず集中力や体温が下がるため、ストレス耐性が落ちるといわれています。

ストレスは腸の蠕動運動を弱めたりと、次々に腸内環境を悪化させる原因を呼び寄せ、連鎖を招いてしまいます。

今日からできる!腸内環境を良くする食事

皆さんも一度は耳にしたことがあるかと思いますが、この「3つのバイオ」の違いをご存知でしょうか。

プロバイオティクス
プレバイオティクス
バイオジェニックス

腸内環境を改善・維持するためには、大きく分けて3つのグループの食品をバランスよく摂ることが勧められています。

今や定番となった赤いパッケージでおなじみ、「強さひきだす乳酸菌」というキャッチコピーで人気の某メーカーのヨーグルトは、実は3番目の「バイオジェニックス」を採用しているそうです。

これからご紹介する「3つのバイオ」の違いをきちんと知り、腸内環境改善にお役立てください。

免疫と腸内環境の関係「若い人も要注意」

プロバイオティクスとは

生きた善玉菌を直接摂取すること

食品ではヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。

ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはないとされています。

そのため、毎日続けて摂取し、腸に補充することが勧められます。

なお、善玉菌は生きて大腸まで到達しないと意味がないと言われますが、死んでしまっても善玉菌の体を作る成分に有効な生理機能が期待できます。

プレバイオティクスとは

善玉菌を増やす作用のあるもの食べること

腸内にもともと存在する善玉菌のエサになるものです。

食品成分としてはオリゴ糖、食物繊維です。これらの成分は野菜類・果物類・豆類などに多く含まれています。

消化・吸収されずに大腸まで達して、善玉菌の「エサ」になり、善玉菌を増やします
サラシアもこのグループに入ります。

バイオジェニックスとは

直接、あるいは腸内フローラを介して良い影響を与えることができる成分

腸内フローラではなく、直接身体に作用します

免疫を正常化、コレステロール低下、血圧降下、整腸、抗腫瘍、抗血栓、造血作用

などの、生体調節、生体防御、疾病予防・回復、老化制御などに働く成分です。

サプリメントでも摂ることができます。

3つのバイオのチカラをバランス良く摂りましょう

それぞれの特徴や、多く含む代表的な食品や成分を表にまとめました。

どれが良いなどの優劣はありませんので、3つの効果をバランスよく摂り入れることをお勧めします。

プロバイオティクス
働き 腸内フローラのバランスを改善することによって、健康をもたらす、生きた微生物。腸内細菌のバランスを活性化させる生菌や、生菌を含む食品。
含有食品 ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、キムチ
プレバイオティクス
働き 善玉菌が増えるのを促進したり活性化したりする食品成分。プロバイオティクスは菌そのものの作用によって腸内環境を改善するのに対し、プレバイオティクスは有用な腸内細菌の餌となる食品成分を摂取することによって腸内環境を改善する。
含有食品 オリゴ糖、食物繊維、難消化性でんぷん※
※難消化でんぷん(レジスタントスターチ)はインゲン豆、トウモロコシ、大麦、白米、全粒小麦(全粒粉)、ジャガイモなどの食材に含まれている。加熱すると大幅に減り、冷めると再び増える。
バイオジェニックス
働き 微生物が行う分解・発酵で生産された有用物質。プロバイオティクスやプレバイオティクスは、腸内フローラに働きかけるが、バイオジェニックスは直接、生体機能に働きかける。
含有食品 生理活性ペプチド、植物ポリフェノール、DHA、EPA、ビタミン、他にも 乳酸菌の死菌成分など

腸内細菌を育てるつもりで日々メンテナンスを

私たちの強い味方である腸内の善玉菌。せっかく3つのバイオのチカラを摂り入れても、効果が得られない場合があります。それは「体温」です。

夏になると食中毒が増えますが、これは菌が活発になる温度と関係しています。

腸内細菌も同じで、体温が低い人の腸内細菌は活発な活動ができません。昔から「お腹を冷やすな」と言われていますが、これは理に叶っています。

運動し筋力を落とさないことで基礎体温を維持したり、冷たいものを摂り過ぎないなど、腸内細菌が活発になる体温を維持することが大切です。

3つのバイオのチカラを最大限に活かす、また「腸内細菌を育てる」つもりで、カラダを冷やさないことを心掛けましょう。

次号は近日公開
腸内環境 Vol.2「免疫が人類に備わったのは、旧人類と子どもを作ったから?(仮題)」は近日公開予定です。

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